西の都 装飾
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ぼんしょう(かんぜおんじ)

所在地 太宰府市
指定等の状況 国宝
エンブレム

観世音寺鐘楼の日本最古の梵鐘です。菅原道真が漢詩「不出門」で詠じているまさにその鐘です。現在も使用されており、その音は古代に響いたものと同じです。

菅原道真が漢詩「不出門」で「都府楼はわずかに瓦色を看る 観音寺はただ鐘声を聴く」と詠んだ観世音寺の梵鐘。京都・妙心寺の梵鐘と同じ工房で製作された「兄弟鐘」といわれ、ともに国内に現存する最古級の梵鐘として知られます。妙心寺鐘は「戊戌年」や「糟屋評」の銘から、698年に現在の糟屋郡で鋳造されたと考えられていますが、文様などから観世音寺鐘が古い作例とみられています。観世音寺鐘にも現在の福岡県築上郡上毛町周辺を示す「上三毛」の銘があります。梵鐘は当時の先進文物の1つでしたが、その鋳造を可能とする工人の技術交流があったこともうかがえます。

太宰府市キャラクター/
旅人のたびと・おとものタビット・
れいわ姫

観世音寺境内の鐘楼に吊下げられている現役の鐘です。9月の神幸式、そして大晦日に、その音色を聞きに来てください。
そして、ぜひ近くで鐘を観察してください。蓮花の文様や、唐草の文様、梵鐘を釣る竜頭は、1300年前の国際交流を物語るものです。
この鐘は、出張が多く、日本全国の博物館を旅しています。見られないときは残念ですが、またぜひ次の機会にトライしてください。

観世音寺:
〒818-0101 福岡県太宰府市観世音寺5丁目6

西鉄五条駅から徒歩約9分

九州自動車道太宰府ICから約20分

古代日本の「西の都」 イメージ画像

1300年前、筑紫の地に誕生した「西の都」。東アジアに華開いた壮大な国際交流都市のストーリーは、福岡県筑紫野市・春日市・大野城市・太宰府市・那珂川市・宇美町、佐賀県基山町に広がっています。